
木彫りを修正する方法
30年以上木彫りをしていると、糸鋸で必要な部分を切り落としてしまったり、彫りすぎて穴が開いてしまうなど思わぬトラブルが起きることがあります。
やり直しもきかないので、どうにか小細工をしてやり過ごしてきました。
今回はそのような時のごまかし方をご紹介していきたいと思います。
修正用の木粉パテ
木なので一旦削ってしまうと、どうにもなりません。
私は修正を図るべく、糸鋸作業で出た時の木粉をヤマト糊と混ぜてパテとして使い、埋め込んだり接着剤の役目として使っています。
木工用ボンドの方が強力に着くのですが、ボンドがハミ出た部分は着色した時に色が乗らずムラになり、いかにも修正しました!となってしまうので、ヤマト糊を混ぜた木粉パテも使っています。
point
パテの割合は、ヤマト糊と木粉をだいたい半々で作っていますが、その時使う木粉の種類によって良い割合が変わってくるので、最終的に混ぜた時の感触で決めています。
ウッドパテというものも販売しているようです。
用途別の使い方
修正以外にも使う場面があるので用途別に使い方をご紹介します。
- 間違って切り落としてしまった時
- 深く彫りすぎた
- 継ぎ目に使う
- 写真立ての用の穴のサイズ調整
- ねじ頭を隠す
間違って切り落としてしまった時

糸鋸でカットした時に気づかずに必要な部分を切り落としてしまうことがあります。
彫っていてあっ!ここ無いと後で気づくこともしばしば。
そういうときは切り落とした木片と本体に木粉パテ+木工用ボンドを塗り、くっつけています。
表面に木工用ボンドが溢れて出てこないよう一番内側に木工用ボンドを塗り、その周りを囲むように木粉パテを塗り、くっつけていきます。

深く彫りすぎた
100均で買ってきた木の小箱を彫った時に、想像以上に板が薄くて穴が開いてしまいました。
下に別の板を貼り、上から木粉パテを詰めてごまかしました。
継ぎ目に使う
この時に制作したユリの花の茎部分も木で凸凹を作り、内側にボンドを付け、外側を木粉パテで固めました。
写真立ての用の穴のサイズ調整
写真立ての裏側に、ドリルで予定より大きく穴を開けてしまった時、木粉パテを詰め込み調整しています。
ねじ頭を隠す
立体的な木彫りを制作したときに釘やネジを使い組み立てることがあります。
見える部分に、ねじ頭が出ているとカッコ悪いので木粉パテで埋めています。
ねじ頭の上を木粉パテで埋めて、乾いてからサンドペーパーをかけ、色付けをしてニスもかけます。
まとめ
作品のサイズと修正規模が小さいので、この方法でだいたいごまかしきれています。
ごまかしきれていたのですが、先日とんでもない失敗作を数十年ぶりに押入れから発見してしまったので、そのうちご紹介したいと思います。
挫折したバラのレリーフを載せました