実際に木彫りで使っている板の特徴と制作した作品、おすすめの木材を紹介しています。
木彫り木材の種類と特徴
今回は私が普段木彫り作品で使っている彫りやすい木と、あまり使わないけど手元にあった硬い板をご紹介します。
TOPの画像には10種類の板を載せています。(ホオノキとコクタンは同じ木でも部位によって色や性質が違うので、木の種類は8つになります。)
シナノキ(シナ材・榀の木)
シナノキは一番良く使っています。柔らかいので彫りやすいです。
色は薄く、木目も主張してこないので色が着けやすい。
北海道土産で有名な木彫の熊もシナノキを使用していることが多いようです。
彫りやすいのですが、強度が必要な物は硬い木の方がいいかも。木彫りの靴べらを制作しましたが、ポッキリ折れそうで飾りになりました。
シナノキを使った作品は シナノキ をクリックでご覧いただけます。
くるみの木
ポソポソっとしてます。木目が少し荒く見えますが、彫るには問題ないです。シナノキより硬い。
今までで一番大きな作品のライティングビューローもくるみの木でした。
くるみの木を使った作品は くるみの木 をクリックでご覧いただけます。
桂の木
赤みの強い板なので、色付けはあまりしません。
センノキ(栓の木)
木目がハッキリ出ていて綺麗ですが、とっても硬いです。
センノキを使った作品は センノキ をクリックでご覧いただけます。
ホオノキ(朴の木)
黒い部分 彫りやすい、キメが細かいので肌触りが良い。ホオノキの白に比べて手に入りづらい。
白い部分 硬く、キメ細かい。
ホオノキを使った作品は ホオノキ をクリックでご覧いただけます。
コクタン(黒檀)
黒い部分 色が素敵だなと木の市で購入しましたが、とんでもなく硬く、彫刻刀が痛むレベル。糸のこで切り出しのみの作品用です。
赤い部分 コクタンの黒と色が違うだけで硬い。どちらも重いです。
コクタンの赤でバラのブローチを制作しようと途中まで作業したのですが、硬くて硬くて糸のこの刃は折れるし、彫刻刀はボロボロになるしで完全に諦めました。
文鎮代わりにしかなりそうもありません…。
イチイ(オンコ)の木
赤い板で、桂の木より硬いです。色付けをせずに、主に切り出しのみの作品に使うことが多いです。
ブローチを制作しようと思い、糸のこでカットまでしましたが、永らく放置しているものです。
ホワイトオーク
女の子の髪の毛とズボン部分に使用しています。木は軽く、木の市で購入しました。普段の木彫作品には使わず、色を活かして組み木に使っています。
もっと色々な木の断面を見てきた話
木彫りに適してない木
100均の木箱
彫っていくうちに青い部分と黄色い部分が出てきて謎の木でした。力技で彫り上げました。
100均の細長い板
100均の天然木をカットし箸置きを彫ったのですが、ポソポソして彫りづらかったです。
シナノキで作り直して見比べています。
これから木彫りを始めてみようと考えている方は、とりあえず100均で板を買ってやってみよう!失敗しても100均だからいいかなっと思うかもしれませんが、
きれいに彫ることが難しくやる気がゴリゴリに削がれ『木彫り向いてないかも、や〜めた』となる可能性が高いのでお試しでも板を選んだほうがいいと思います。
100均の板は何かを足したりそのまま切ってDIYで使ったり大ぶりな物を彫り出すのには向いているのかも知れませんが、細かい彫りの彫刻用木材としては向いてません。
結論:やってやれないことはないけど、適してはいない。
木彫の材料 彫りやすさ 比較
木材の彫りやすさ(硬さ)を比較してみました。私の感想なので実際違っていたらごめんなさい。柔⇢硬
‘木材の彫りやすさ’
おすすめの彫刻用木材
今回ご紹介した板の中で、私が彫るのに適していると思うのはシナノキです。
一番柔らかいので歳を取って体力的に彫りやすいです。初心者の方にもおすすめ
仕上がりが良いのはホオノキです。出来上がりはほっぺでスリスリしたくなるほど滑らかな肌触りです。硬くなければ常用したいのですけどねー。
rakuma