
木彫りの染料とニス
普段、木彫りで色を付けるときに使用している染料とニスの一部をご紹介します。
くるみの皮
これはくるみの皮です。朽ちてきてグジュグジュになったくるみの皮を天日で2,3日カラカラになるまで干します。
すっかり乾燥した皮をお鍋で煮出し、出来た液に”との粉”を入れて染料として使っています。
出来上がった染料の色は黒に近い濃いこげ茶です。作品によって色を濃くしたり薄くしたりと、調節しています。
くるみの皮を使用した作品
やしゃ玉(矢車の実)
やしゃ玉は漢方薬で、矢車の実と言う名前もあるようですが、染料としても使われています。形が松ぼっくりっぽいですが、違うものです。
ハンノキの実と本当にそっくりなので、煮出せば同じような色が出るかなと思い、山で拾ってきて試しに煮出してみましたが、全然色が出ませんでした。やっぱり、やしゃ玉とは違うんだなとガッカリしました。
一握りを鍋に入れ、くるみの皮と同じように煮出してとの粉を入れて使います。
出来上がった染料の色は、くるみの皮に比べて薄く、濃いめに入れた紅茶のような色になります。
くるみの皮もやしゃ玉も作品に使う板によって、仕上がりの色が違ってきます。
やしゃ玉を使用した作品
この他にも、紅茶、コーヒーも染料の一部として使うこともあります。
墨汁と色粉
色粉は昔よく使っていましたが、くるみの皮の方が気に入った色がでるので、最近はくるみの皮ややしゃ玉を使っています。
墨汁は、色粉を使用した際、もっと濃くしたい場合に1適程入れています。
との粉
との粉は”目止め”のための粉なので、塗料の中に入れて使っています。
【目止め】 塗装前の木地(きじ)に砥(と)の粉(こ)や胡粉(ごふん)などをすり込んで目をふさぎ、表面を滑らかにすること。
引用元:コトバンク
木彫り用オイルとニスとオイルステイン
私は、ニスをよく使っています。木彫り用オイルは持っていますが、ほとんど使っていません。
オイルステインはニスに塗料が最初から入っているものです。
オイルステインを使用した作品
ニスは組み木以外の木彫り作品全部に使っています。オイル、ニス、オイルステインを使う時はシンナー臭いので、天気のいい日に外で作業するようにしています。
ここには載せていませんが、うすめ液もニス作業の時に使います。
スプレー式のニスは、木の皮が付いたままの作品用です。
スプレー式のニスを使用した作品