木を彫る日々

木彫り作品・六花亭・セイコーマート多めのブログ

木彫りの傘立て アカンサス

木彫りの傘立て アカンサス

糸のこで切り抜く部分が多く時間もかかった作品です。

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アカンサス模様の木彫り傘立て

傘立て

傘を立てる場所を囲う板3枚の模様の切り抜きと彫りが多様で、とっても大変でした。

切り抜いた場所は全部で80箇所あり、複雑な形だったので板の角度を変え少しづつ糸鋸を操作し切り抜きました。

手前の3枚の板はアーム付きの糸のこで切り抜けましたが、傘立ての背の部分の板は85cmと大きすぎ、足踏みの古い糸のこでやっとの思いで切り抜きました。

30分間の糸のこ作業で切り抜けるのはせいぜい3箇所だけなので、切り抜き作業だけで2ヶ月はかかったと思います。(飽きてくるので他の作品を制作してまた戻りまた飽きての繰り返しでした。)

欲張りが仇となる

切り抜きが終わり彫りにかかるのですが、透かし彫りなのでアカンサス模様独特の曲線をどの角度から見ても違和感ないように細かくチェックしながら彫りました。
木彫り傘立て
手前の3枚は柄が全く同じなので1枚目は難なく彫れたのですが、2.3枚目に入るときにはすっかり飽きてしまい、木がホオノキで硬くますますやる気がなくなっていきました。

作ると決めたのは自分なのでなんとか頑張って彫っていきましたが、飽きる→戻る→飽きるの繰り返しになりました。

背の柄は左右対称なので、そこも気をつけながら彫りました。
制作の最初の段階で図案を本に載っていたものより傘を入れる場所が増えるよう大きくしてしまったので、余計に彫る範囲も増え自分で自分の首をしめてしまいました。
図案を書き写した時はこんなことになるとは思わず、手持ちの板ギリギリまで大きくしてしまいました。

やっと完成

木彫りの傘立て

サンドペーパーで丁寧に透かしの部分もかけるので、手間と時間がかかり爪も削れてしまいました。もちろん飽きて空白の期間があります。

色付けは落ち着いた良い色に仕上がって私としてはいい出来で満足です。
全ての木彫り工程を終え板の組み立ては傘が入る部分に蝶番を使い8箇所固定し、やっと完成しました。
3年もかけて完成して満足でした。
玄関先に置いたのですが雨の日など傘が濡れた状態で傘立てを使うと下に水がたまり汚れたり、放って置いてゴワゴワに腐ってしまうのも避けたいので、植木鉢のプラスチックの鉢受けを底に敷いています。

この作品は出来云々というより、根気との戦いでした。
こんなに透かし彫りが多い作品は今後体力的にも精神的にも無理だと思うので、相当気に要らなければ作らないと思います。
この作品を作った頃はまだ若かったんでしょうね…。

材木 ホオノキ
染料 くるみの皮 やしゃ玉
木のサイズ 85×22cm
制作期間 3年
制作年 2009.10

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